【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「そういえば二人って、やっぱり知り合いだったの?」


セレナちゃんが私と彼方を引き離すと宣言しにやってきたあの時も、どこか鬼龍院くんはセレナちゃんを知っているような口ぶりだった。

そんな質問に、鬼龍院くんは「まあそんなものだ」と答えた。


「君たちのような幼馴染みとかそういう関係ではないんだが、なにかと会うことが多くてな」

「まったく、会いたくもないのにどこにでもいるだもの。しかもなにかと口うるさいし」

「君のガサツで周りの気配りもできないその性格に問題があると思うんだが?」

「そうやってすぐに突っかかってくる性格をどうにかするべきじゃないからしら?」

「先に突っかかってきたのは君だろう? 君は本当に、考えもせず物事を口にするくせもどうにかするべきだな」

「…………学年二位がなにか言ってるわ。無視するべきね、学年二位だし」

「今それは関係ないだろう月城クン!? 全国の学年二位に今すぐ謝れ!!」

「あら、一番より大切なものを見つけたのでしょう? じゃあ別にいいじゃない二位だって! 二位だって!!」

「なぜ二回言った!?」


いっときの口喧嘩の後、ふんとセレナちゃんはそっぽを向いてしまったのだった。

本当に仲がいいんだな、この二人って。


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