【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「柚月、もう二人で行こうか」
「え? でも……」
「こらまちたまえ! 僕たちを置いていくなと言っているだろう!!」
「待ちなさい一色彼方! 行ってもいいけど柚月さんを置いていきなさい!!」
「ごめんね二人とも」
グイッと、彼方は私の肩を抱き寄せた。
「柚月は絶対に、誰にも渡さないから。ね、柚月?」
チュッと、鬼龍院くんとセレナちゃんが見ている目の前で、おでこにキスをする。
「っ!? 彼方!?」
鬼龍院くんとセレナちゃんは、ポカンと口を開けていて……。
その後すぐに、
「そういうのは僕たちのいない所でやってくれ!!」
「一色彼方……あなたも絶対に許さないわ!!」
二人はどこか楽しそうな顔をして、私と彼方の後を追う。
ふと見ると、彼方も彼方でどこか楽しそうな表情で、私もみんなにつられて自然と笑顔がほころんでいたんだ。