【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「野沢先生!」
名前を呼ばれそちらに顔を向けると、女子生徒二人がじっと俺を見つめていた。
「おう、お前らもご苦労さん」
この女子生徒は、一番最初に『月城が近衛と仲良くなれるように応援したい』と言ってきた二人だ。
「セレナちゃん、本当に嬉しそうだったね!」
「うん、本当によかった……先生も協力してくれて、ありがとうございました!」
「こちらこそありがとな。月城のために」
「いいんです、これは私たちが自分で勝手に始めたことで……罪滅ぼしみたいなもの、ですから」
〝罪滅ぼし〟
彼女たちからしてみればそうなんだろう。
その理由は、彼女たちが一年生の頃、月城と同じクラスだったということが関係する。