【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「ほら、他にも色々と、ね……暗い方が、雰囲気でるかなって」
私の隣に腰を下ろし、体が引っ付くか引っ付かないかぐらいの距離まで近づいてくる。
「え、ぁ……っ」
また、どう反応すればいいか分からなくなってしまう。
そんな風に返事に困っていると彼方は少し申し訳なさそうな顔をして、私から体を離した。
「ごめん。柚月が可愛いから、ついからかいたくなっちゃって……映画、見よっか」
「う、うん……見よっ、か」
こうして私の緊張は更に高まってしまい、
暗い部屋の中二人きりで、映画鑑賞会ははじまってしまったのだった。