【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「はぁ、やっぱりあなたも嫌いよ。ワタシが欲しいのは人脈でもなんでもないんだもの」
「じゃあ何が欲しいんだい?」
「それは、その……だ、ち……を」
「ん? もう一度いいかい?」
「……だ、だから」
「と、とも……だち……」と言った瞬間、鬼龍院司は思い切り吹き出してこれまた豪快に笑いだした。
なっ!?
「ちょ、ちょっとさすがに笑いすぎじゃないかしら!?」
「っくく……いやぁすまない。まさか友達なんて答えが返ってくるとは思わなくてな。……あの高飛車でワガママな君の欲しいものが友達とは、ふっ」
「なによ! だいたい、あなただって友達一人もいないくせによく人のことが笑えるわね!?」
「ぼ、僕なら本気を出せば友達の一人や二人……!」
「ほぉ? 一人や二人つくれるの? じゃあその本気とやらをぜひ見せてほしいわねぇ!?」
「くっ、君は本当に……友達が欲しければ、そのすぐに突っかかってくる性格と、上から目線にものを言うことを止めるべきだな!」
「っ!? わ、分かってるわよそんなこと!!」
でもつい突っかかってしまうし、上から目線になってしまうのだから仕方ない。
これはもうこびりついてしまった性格だ。今さら変えるというのはなかなか厳しい。