【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「……なんて、らしくないわね」
この世界が嫌いだった。
全部、全部、大嫌いだった。
(……そういえば、今日はファッション関係の受賞記念パーティーだったわね……鬼龍院の系列のホテルだし、きっと鬼龍院司も来るわよね)
でも今はもう違う。
こんなワガママな自分にも、手を差し伸べてくれた人がいたから。
その人のおかげで、この世界が好きになれたから。
(仕方ないわね。この月城セレナが二位になったことをからかいに……いえいえ、慰めに行ってあげるわ!)
だからどうか彼にも、この世界を心から好きになって欲しいと、
もうそんな張り付けたような笑顔を捨てて、本当に心から笑って欲しいと、
そう、願ったのだった。
【舞踏会が嫌いなお姫様:END】