【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「ひっ!?」
「柚月、大丈夫?」
「だだだ大丈夫に決まってっひぃうっ!?」
大丈夫じゃない! 怖い!
でも見てしまう!!
「う、ぅぅ……っ」
呻き声をあげながら、私は画面から視線をそらせない。
画面の中では、主人公がある廃屋の中を必死に逃げ回っている姿が写し出されている。
「ひっ!?」
このドキドキがたまらなく好きだ。
次は何が起こるんだろうとワクワクがとまらない。
でも怖いものは怖い!!
「ぅ、か、彼方、彼方っ」
「ん、ここにいるよ」
「うぅう」
優しく優しく、大丈夫だよと言うように彼方は私の背中を撫でた。