【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
《実はこの先にあるお城のお姫様が、閉じこもって出てこないというのです。野沢先生はそのお姫様の従者で、なんとかお姫様に外に出てきて欲しいと頭を悩ませていました》
「つうわけで頼んだ近衛。あいつを救えるのはお前しかいない!」
「……お姫様」
閉じこもってるお姫様って、まさか……
「んじゃ、後は任せたぞ~!」
「え、野沢先生は来てくれないんですか!?」
「俺にはチョコレートパフェが待っているからな。行けないんだ、すまない」
「チョコレートパフェなんて後でいいじゃないですか!!」
《どうしてもチョコレートパフェの誘惑に勝てない野沢先生からお城までの地図をもらい、お姫様を外に出すべく三人はそのお城へと向かいました》
「うわぁ、おっきい!」
「僕の城よりも大きいな……」
「でも、凄いイバラだね」
彼方の言うとおり、目の前にそびえ立つ城にはイバラが巻き付いていて、そのイバラのせいで門までもガッチリと閉じられていた。
これじゃあ開けられないよね……。