【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
《あるところに、一人の女の子がおりました。その女の子は誰かに自分を認めてほしい、誰かに自分を見て欲しい、そう願っていました》
……ああ、分かってしまった。
これが誰の気持ちなのか。
《そんな少女の願いは叶わない》
分かってしまったのだ。
だってこれは、私が一番よく知っている……
《ずっと、ずっと、ずっと、いつまでも、何度願おうと、その願いは叶わない》
「叶わないなら、こんな世界もういらない」
大広間の中心に少女がいた。
背丈に似合わない王冠を頭に付けて、可愛らしい淡いピンク色のドレスを着ている。
「壊れちゃえ。沈んじゃえ。崩れちゃえ。私を見てくれないこんな世界なんて……」
少女は顔を上に向ける。
その目からはボロボロと涙がこぼれていた。
「ねぇ、あなたもそう思うでしょ?」
女王様
それは間違いなく、子どもの頃の私だった。