【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
……白昼夢でも、見ていたのだろうか。
「柚月、大丈夫? まだぼーっとしてる?」
「んーと、なんていうかその……」
あの少女は、もう世界を壊そうなんて考えないだろうか。
いや、そんな心配は必要ないか。
だって私《少女》は、みんなに救われたのだから。
「みんなのこと、大好きだなーって思って」
私がそう言った瞬間、目の前の三人はビキッと体を硬直させた。
「こ、近衛クン!? 今みんなと言ったね!? それにはもちろん、僕も含まれているんだろう!?」
「鬼龍院司、もちろんあなたは除外されているに決まっているでしょう? 一人で観覧車にでも乗ってきたらどうかしら?」
「月城クン、君こそ一人でコーヒーカップにでも乗ってきたらどうかね?」
いつも通り、鬼龍院くんとセレナちゃんの睨み合いが始まってしまう。
「柚月、いきなりどうしたの?」
「なんか、今すぐにでも言いたくなっちゃって」