【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
逃げ出したいけれど、ガッチリ彼方に抱き締められているのでそれができない。
どうすることもできないまま彼方に身を預けていると、ふいに彼方の手がしっぽの方に伸びてきた。
「ふにゃあ!?」
しっぽをゆるりと撫でられれば、もう力なんて全く入らなくなってしまう。
「しっぽも、気持ちいい?」
「もう、わかんにゃ……っ」
なんか、あれだ、
もういろいろとダメだ。
「柚月、好き……大好き」
「ん……っ、わた、しも」
「……どうしよう、止まんなくなってきたっ」
彼方の吐息が熱い。
見上げると、彼方の瞳も潤んでいて頬が紅潮していた。