【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「はーい! どちらさま……って、彼方?」
家のチャイムが鳴り、家に私しかいないため急いでリビングにあるワイヤレスモニターを確認する。
そこには珍しく帽子を被った彼方がうつっていて……
「彼方、いったいどうしたの?」
「柚月……っ」
「え、ちょ、本当にどうしたの!?」
目に涙をいっぱいにためた彼方が、困惑した表情で私を見つめる。
とにかく玄関で立ち話もあれなのでということで、彼方に家に上がってもらう。
リビングのソファに座り、冷蔵庫の中にあったリンゴジュースを彼方の目の前に置いた。
「で、いったい何があったの?」
「……あの、突然こんなこと言っても信じてもらえないと思うんだけど、その、これ……なんだけど」
おずおずと、被っていた帽子を取る。
そこにはまあなんと立派な、猫耳が……
え?