【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
へにゃりと微笑む彼方に、私はもう何も言えなくなってしまう。
……不安だ。
そしてこの不安は、見事、的中した。
「彼方、大丈夫って言ったよね?」
「……言いました」
「じゃあこれは?」
目の前には、何も書かれていない日誌が一冊。
やっぱり大丈夫じゃなかった……っ!
「だから何度も確認したのに! 何でなにも書かれてないのよぉ!!」
「……だって」
「だってじゃない!!」
「近衛さんまた一色くんと居残り??」
「毎回ご苦労様だねぇ」
クラスのみんなが相変わらず微笑ましい表情で私と彼方に「じゃあ頑張れよ、またな」と挨拶をして帰っていく。
気付くと、教室には私の彼方と二人きりだ。