【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「よかったぁ~、赤点じゃなかった~!」
テストの点数を確認して、私は安堵の声を出しながら背伸びをする。
「ありがとう、彼方のおかげだよ!」
「そんなことないよ。柚月がちゃんと勉強したから」
「彼方が教えてくれたからだよ! 本当にありが──」
そこで、チラリと彼方のテストが視界に入る。
思わず見てしまった彼方のテストは、見事なまでの百点で……え、ひ、百点?
「彼方、百点だったの!?」
「ん……柚月と一緒に勉強してたら、いろいろ覚えちゃって……それにもう、大丈夫だから」
「大丈夫?」
いったい何が大丈夫なのか。
その言葉の意味は、すぐに理解することになる。
「……学年、一位……彼方が」
テスト後に張り出される学年順位表。
今回は全教科ほぼ満点の彼方が、見事に一位を飾っていた。