【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「──俺だって、いつもヤキモチやいてる。柚月が他の男の子と話してるだけで、早く柚月から離れてって叫びたくなる」
それは帰り道のことだった。
彼方がポツリポツリと、話をしてくれる。
「柚月に好きな人ができたらどうしようって思っちゃうし、他の男の子が柚月を好きになっちゃったら……柚月がもし、その子を選んじゃったら……」
だんだんと彼方の顔が沈んでいく。
な、なんだかいろいろと悪い方に考えがいってる!?
「ま、まあまあ! こんな私を好きになるなんて物好きはそうそう……」
「……ここにいます、けど?」
「あ……あー……」
「まったく……柚月はもうちょっと自分が可愛いってこと自覚するべきだと思う」
むーっと少しだけ不機嫌そうに、でもちょっとだけ楽しそうに、彼方は私を見つめた。