【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「君が一色クンだね? この前、学年一位だった一色くんで間違いないね?」
そんな鬼龍院くんは今、彼方の机の前に立っていた。
威圧的な光景に、今まで彼方に頻繁に声をかけてきていた女の子たちや、他のクラスのみんなも静かに見守っている。
な、なにごと……!?
「……うん……俺で、あってると思う」
「そうかそうか、やはり君か……君が一位を……ほぉ?」
いつも以上に上から目線な空気をまとい、腕をくんでイライラしたように指をとんとんしている。
物凄くとんとんしている。
「なんで……なんでよりにもよって、君が一位なんだ!?」
突然の大声に、横にいる私の肩がビクリと震えた。