俺の恋女房になれ
気付いたら好きになって
それ以来相川さんは頻繁に私の部屋を利用した。

特に早朝ミーティングの前日は決まって泊まった。

今夜もそうだ。

「琴乃、迷惑だったらはっきり俺に言ってくれないか?」

「私はそんなことは全然思ってないし、相川さんを嫌っているわけでもないし、恋人が居るわけでもないし。」

「本当に困ってないのか?俺が居て嫌じゃないのか?」

「いつもはそんな風に言わないのに、どうして聞くの?」

「君が俺のことをどう思っているのか知りたいんだ。今まではっきり言わなかったが、俺は君が好きだから時間が合う限り会いたい。君は俺の気持ちが分かっているのだろうかとよく自問するよ。」

「私って冷めた人間なの。自分の気持ちがよくわからなくて以前付き合った人にもちゃんと応えてあげられなくて、情熱って私には無縁だと思う。」

「冷たい美人だな。いつだったか俺がそう言ったのを覚えている。どうすればいい。どうしたら俺を受け入れてくれる?」

「誰にも私を自由に出来ないと思う。」

「俺が開放してみせる。今はまだ破れないが、必ず俺のものにしてみせる。男にそう言わせてどう思う?今どんな気持ち?何も感じないのか?」

「よくわからないの。」

「こうして欲しい、こうだったらいいとか思わないのか?」

「私は相手に期待したくないの。」

「ダメだな。君がそんなだと男は皆逃げていくと思うが。」

「私が欲しいなら、付き合ってもいいけど。」

「そうじゃない。体でなく、心が奪えない。体の関係が先ではダメだ。」

「じゃ、どうすればいいのかしら?」

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