嵐の夜は 〜執着系上司に捕まりました〜


シャワーを借りて、服が乾いて、電車が動き出したら帰ろう。強引に連れて来られたけれど、もしこんな事が佐田さんにバレたらイジメられるだけでは済まないかもしれない。

ただでさえ今でも毎日辛いのに。



サッとシャワーをすませ、下着類とブラウスを洗濯機に入れて回す。リビングに戻るとコーヒーの香りが漂っていた。

「課長、すいません。シャワーと洗濯機をお借りしました」

キッチンからマグカップを両手に持って出て来た課長がわたしの姿を見て目を瞠る。

課長も白いTシャツとグレイのスウェットに着替えていた。


「・・・・・いいな、それ。すげー破壊力」



は・・・・・・・・・・?


課長のシャツは大きくて、わたしが着るとシャツワンピースのようだ。さすがに上司の家でブラなしはできないので洗わないでそのままつけている。

ローテーブルにマグカップを置いた課長がわたしの腕を引いて抱き寄せた。


「岩崎」


胸が、震える。


なんで今日はこんなに大事そうに、労るように扱われるのだろう。


まるで愛されているみたいだ。
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