嵐の夜は 〜執着系上司に捕まりました〜
シャワーを浴びて少し火照った身体に、わたしより低めの課長の体温が気持ちいい。
促されてソファーに座り、コーヒーのカップを渡された。
課長も隣に座る。
「いつ泣きついてくるかと思ってた」
静かな口調。
「・・・・・告げ口みたいでイヤやないですか」
何度も課長に言おうと思った。
もう少しだけ、もう少しだけ我慢したら佐田さんも飽きるかもと思って2ヵ月も経ってしまった。
けれど事態は悪化するばかりで。
「変なとこで強情やなあ、普段は素直で可愛いのに」
「・・・・・気付いてはったんですか?」
「うん、まああの飲み会の後佐田は何かするかなくらいには思ってたな」
・・・・・なんだ、それ。
分かっててあんなこと言ったのか。
だんだん腹が立って、悔しくて視界が歪む。
「分かってたんやったらあんなこと言わへんかったら良かったやないですか!場を切り抜けるためだけにわたしのこと利用して・・・・・!仕事辞めようかとか、部署の異動願い出そうかとか悩んだのに!」