嵐の夜は 〜執着系上司に捕まりました〜
ぽたぽたと涙が胸元に落ちる。
課長の手が伸びてきて頭を優しく引き寄せられた。課長の胸に頭を預けると頭にあった手が肩を抱く。
「仕事辞めろ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?
仕事辞めろ・・・・・・・・・・?
一生懸命働いていたつもりだったのに。
全く役に立ってなかったってこと?
要らないってこと?
情けなさで益々涙が溢れる。
課長にそんなふうに思われていたなんて夢にも思わなかった。
身体を捩って課長から離れようとする。なのに課長の手はそんなわたしの行動を阻む。
「仕事辞めて嫁に来い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
え・・・・・・・・・・っと・・・・・ーーーーー?
今、なんて?
ヨメニコイ?
あまりの衝撃に涙が引っ込んだ。
「・・・・・・・・・・ヨメって結婚・・・・・デスカ?」
「なんでそんな宇宙人みたいな喋り方やねん。他にどんな意味があるよ?」
付き合ってもいないのに、イキナリ何を言われてるんだろう。