嵐の夜は 〜執着系上司に捕まりました〜
テキトーなことを言わないでください。


「カンパーイ!」

「お疲れ様~~」


その日は会社から一駅の創作居酒屋の2階の座敷で大きな商談が纏まったお祝いの飲み会が開かれていた。

みんな気分が上がっているからあっという間に盛り上がる。

けれど入社3年目のわたしと、新入社員の八代くんは楽しんでばかりいられない。下っ端2人はどんどん追加される飲み物の注文や空いたお皿の整理、気を遣うことがいっぱいだ。

「八代くん、今のうちに食べよ。課長が来たらまた盛り上がって大変になるから」

「そうっすね、今会社を出たって課長からLINEがありましたよ」

課長は仕事がまだ残っているとのことで30分ほど遅れて参加すると事前に聞いていた。


課長、井坂 洸佑(いさかこうすけ) 34歳。

大阪の国立大学出身で178cmの長身、大学までサッカー部に所属していて、今も休日には友人とフットサルを楽しむというその身体は細身に見えるのに筋肉質。


毎年、社内の結婚したい男性のNo.1の地位をしれっとかっさらっていく。
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