嵐の夜は 〜執着系上司に捕まりました〜


途端に起こる爆笑の渦。

「課長、冗談キツイっすよ~。アイツ、今口からトマト吹き出しよった」

同期の小林が腹を抱えて笑い転げた。

「まあ、目を背けたくなるようなブサイクではないか」

先輩男性社員が言うとまた盛り上がる。


なんだ?

不美人をバカにされてんのか?


何の冗談がキツイんだ。


来週、全員コーヒーに塩を入れるぞ。




「可愛いだろうが、アライグマみたいで」

ビールのグラスを傾けながら課長がわたしに極上の微笑を寄越した。

隣の佐田さんが般若のお面のように見える。


怖い怖い怖い~~~~っっ!



課長、冗談だってペロッと舌でも出してこの場を収めてください。



「なんや、お前らがウチの会社で嫁さんにするならどんなコがええって聞くから岩崎やって答えただけやろ」




やーめーてーーーーー!

佐田さんの顔がもう恐ろしくて見れない。


「いっつも気前よく仕事を引き受けて仕上げてくれるし、気配りも出来るし、笑かしてくれるし、サイコーにイイコだ」



はい、終わったーーーーー!
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