私に優しい理由
仕事をする母親が幼児を1人で家に置いておくなんて真似は不審に思われると思い、断れるはずもなく。
ついには入園説明会へと来てしまいました。
春でもない梅雨時に編入してくるような子などはいなく、綺麗にペーパーフラワーで飾りつけられた
『ようこそ!梅花幼稚園へ!園長室はあちら→』
と書かれた華々しい看板に虚しく立つ子連れがポツンといるだけでした。
…どちら様…ですか?
ずっと立って居たからでしょうか。
近くで落ち葉を掃いていた女性が声をかけてきました。
その着けているエプロンから、ここの幼稚園の職員さんだとは推測がいきました。
顔を覗き込むようにして尋ねてきたその女性はどこかへ視線を送って何かを悟ったのか、怪訝な表情を一瞬にして変えて、こちらへどうぞ。と花咲く笑顔で案内にかかってくれました。
女性の表情が変わる時と同じにして、私の顔色も薄く引いていくのを微かに感じました。
その時の鳥肌のような寒気は、きっと梅雨のような湿気のせいなのでしょう。
そう思い込むことにして、促された手先の方へと、重い足取りでなんとか入っていきました。
ついには入園説明会へと来てしまいました。
春でもない梅雨時に編入してくるような子などはいなく、綺麗にペーパーフラワーで飾りつけられた
『ようこそ!梅花幼稚園へ!園長室はあちら→』
と書かれた華々しい看板に虚しく立つ子連れがポツンといるだけでした。
…どちら様…ですか?
ずっと立って居たからでしょうか。
近くで落ち葉を掃いていた女性が声をかけてきました。
その着けているエプロンから、ここの幼稚園の職員さんだとは推測がいきました。
顔を覗き込むようにして尋ねてきたその女性はどこかへ視線を送って何かを悟ったのか、怪訝な表情を一瞬にして変えて、こちらへどうぞ。と花咲く笑顔で案内にかかってくれました。
女性の表情が変わる時と同じにして、私の顔色も薄く引いていくのを微かに感じました。
その時の鳥肌のような寒気は、きっと梅雨のような湿気のせいなのでしょう。
そう思い込むことにして、促された手先の方へと、重い足取りでなんとか入っていきました。