こっち向いて笑って、先輩!
アプローチその6
「で、詳しい話聞かせなさいよ!」
「いや、電話で話した通りなんですけどね……フフッ。マフィンも美味しいって言ってくれて、それで……これ、電話で話したブツになります!じゃーん!如月和那様の個人情報!ゲッツ!」
休日、みっちゃんとアイスクリーム屋の店内でアイスを頬張りながら、スマホの画面を見せる。
「うっわ、本物?!やったじゃん桃!」
みっちゃんはそういって、軽く私の肩を叩く。
「うへへ」
どんなにアタックしても、縮まらない距離かもしれない、そう思いながらも、先輩を思う日々はそれなりに幸せだった。
だけど、こうやって形に見えて確実に先週よりも、先々週よりも、動いているこの恋を実感して笑みがこぼれてしまう。