こっち向いて笑って、先輩!


「はい?今更そんなこと心配するの?先輩に元カノがいたかもとかもしかしたら忘れられない人がいるのかもとか、そういうのはわかってたことでしょーよ!桃が頑張るのは、もし先輩にそんな過去があったなら、それを超える女になるってこと!」


付いてきたプラスチックの小さいスプーンをブンブンと私向けて振り回しながらみっちゃんがそう言う。


「いや、そうなんだけど……。現実にそう言う事がリアルに見えてしまうとこうも怖気付いてしまうのかと……正直今までは、先輩に存在を知ってもらう事が、名前を覚えてもらうことだけが目標だったといいますか」



対して可愛いわけでも話がうまいわけでも勉強ができるわけでもない。


今のクラスでの扱いだって、空気みたいな、いたら都合よく使えるやつ、としか絶対思われてないし。


私のいいところって……どこ?


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