こっち向いて笑って、先輩!
「うっ、はい……」
また先輩に注意されることになってしまって俯く。なんで私はこんなタイミングの悪いときに。
まぁ、今日初の如月先輩だから会えて嬉しいのだけど!
連絡先まで交換したほど距離は前よりも確実に縮んでいるけれど、まだ何にも連絡してないままだし。
「はぁ」
ん?
突然先輩がため息をついたので顔を上げると、生徒玄関の方に顔を向けていた先輩がこちらに顔を向き直した。
「やることちゃんとやってからそういうことしてくれる」
「えっ、、、?」
そういうこと?って?
先輩はそれ以上何も言わないまま、自分の学年の下駄箱に戻っていってしまった。
「あーったく和那のやつ。ごめんね、桃ちゃん」
野村先輩が慌てて私に謝ってから、如月先輩の後を追いかけた。