こっち向いて笑って、先輩!
「集めたけど…どうするの?」
慌てて回収したノートを持って、イライラしながらドアの前に立つ飯田に聞く。
「はぁ?お前…ほんと話聞いてないのな!」
「うっ、ごめんなさい」
「世界史の田中が3年職員室に持って来いって」
「3年職員室…」
3年棟にある職員室か…。
行ったことないからわかんないな。
「そーだろうと思った」
私の顔を呆れたように見てそう言う飯田。
「へ?…あっ、」
飯田は突然私の持ってたノートの半分を持つとスタスタと廊下を歩き出す。
「え、ちょ、飯田?」
「行ったことねーんだろ。3年棟」
あぁ、そっか。
案内してくれるんだ。
私は、少し軽くなったノートを持ち直して見えなくなりそうな飯田の背中を追いかけた。