こっち向いて笑って、先輩!





如月先輩を探さなくちゃ!
どうしてあれをほかの人が知っていたのか、聞かなくては!


開会式が終わって私はクラスの輪から抜け出そうとする。


「ちょっと桃!あんたどこ行くの」


「あっ、えっと、」


グループの子に引き止められてしまった。
って……そりゃそうだよね。
女子のダンス、今からだし。


「ほら、早くポンポン持って、並びに行くよ!」


「あっ、」


私は、腕を引っ張られてそのまま入場入り口の方へ向かうことになってしまった。


「っていうか桃、ちゃんと考えてたんだね」


「え?」


私を引っ張ったまま歩くポニーテールを見つめる。



「改めてちゃんと見てびっくりしたっていうか。学級旗。私たちみんなあんな感じで、テキトーにやればいいやって感覚で。でも、桃はちゃんと色々考えてたんだって、さっきの放送聞いて気づいた。ごめんね」


っ?!


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