こっち向いて笑って、先輩!





ダンスが終わった瞬間、急いで三年生のテントへ向かう。


3年1組のテント、3年1組のテント。


体操着のズボンの色が学年別で違うから、青色の体操着の中に赤色の私がいるのは、すこぶる目立つ。


でも、今はそんなことどうでもいいくらい、先輩に会いたくてたまらないんだ!


今は2年生の借り物競走が始まったばかり。


如月先輩たち3年生の種目は午後からだし、時間は大丈夫だ。


「あ、桃ちゃん!」


私の名前をちゃん付けで明るく呼ぶのは、1人しかいない。茶髪の前髪を噴水結びにしている、青色のズボンを着ている先輩。


「すごいねー桃ちゃん。学級旗のデザイン桃ちゃんがしたんだね?うちのなんか3-1ってドーンっと描いてるだけでダサ────」


「野村先輩!あの!如月先輩は?!」


「ほんっと、和那のことしかみてねーのなぁ」


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