こっち向いて笑って、先輩!
「俺のこと知っててくれたのー?」
「え、あ、…はい」
当たり前じゃないか。
如月先輩の幼なじみだぞ。
「へぇ〜嬉しいなぁ。お近づきの印にデートでもする?」
「へっ?!で、で、で、デート?!」
ニコニコ優しそうな笑顔でいきなりびっくりすること言うから、どもっちゃったよ。
「動揺しすぎ〜」
「ちょっと流星さん」
顔に熱を持ってあたふたしてた私の斜め横から、低い声が降ってきた。
「あ、快くんいたんだ」
さっき私に見せてくれた笑顔を急に真顔に変えると、冷めた声で飯田をみる野村先輩。
「いや、最初に俺と目合いましたよね」
「しっかし、君、よく頑張るよね〜」
「へっ!?」
野村先輩は、飯田の話途中にもかかわらず、私の方へ一歩歩みよると感心したようにこちらを見つめた。