こっち向いて笑って、先輩!
「そんなこと真壁くんは思わないです!私も勘違いしていたけど……真壁くん、お家のこととか色々あって……我慢してることもたくさんあって」
先輩が今までの私と真壁くんを見て心配している気持ちはわかるし、すごく嬉しいけど、でも真壁くんのことを悪者みたいに言われるのは絶対に違うと思った。
「彼から何聞いたのか知らないけど、そんなの、同情して許してもらうための嘘だったら?初めての集まりのときだって嘘つかれてただろう」
先輩の声が少し大きくなって荒くなる。
「そっ、そんなこと!」
絶対にないでほしい。それは多分私の願望で。
でも、さっきの真壁くんを見る限りもうあんな嘘はつかないと思うんだ。
「……あっ。ごめん。違う。今のは、違う」
「え……?」
違う?
どうしちゃったんだろう如月先輩。
いつもの冷静な感じと違う。
慌てて少し焦ってるみたいな。
「……ごめん、忘れて。お昼、途中だったよな」
如月先輩は顔を隠すようにドアを開けてから生徒会室出て、離れるように私のすごく前を歩いた。