こっち向いて笑って、先輩!
「でもさ、桃」
「なにぃ、みっちゃん……」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった顔。
こんな顔、大親友にだけしか見せられない。
あ、そういえば、前に私、如月先輩にもこんな恥ずかしい顔晒したこともあったっけ。
先輩との思い出を思い出してはまた涙が溢れる。
「あんたが好きになった、如月 和那って男は、そういうこと平気でできるやつなの?寂しいからって理由で自分のこと好きな女の子に中途半端に触れるチャラ男なの?あんたはそんな男がずっと好きだったの?」
「……っう、そんなこと、でも……」
信じたくないけれど。
あの場面を思い出すたびに、嫌なことばかり思い浮かべてしまう。私にとっては嫌なことでも、先輩にとってすごく嬉しいことかもしれないと思うと、さらに苦しくなる。