こっち向いて笑って、先輩!


「大好きで大好きで大切だから!如月先輩の世界を簡単に壊したくないの!先輩のあの笑顔見たら、何も言えなくなっちゃう……このまま告白しちゃったら、彼女さんがいることを説明されて丁寧にお断りなんてされたら、それこそ今度こそ本当に先輩に触れちゃいけない理由ができちゃうの。バカって言ってごめんなさいっ!」


みっちゃんへの謝罪を添えながら、テーブルに置かれたティッシュをとって鼻水を拭く。


「……っ、でも、やっぱりそれ全部、桃のただの妄想じゃん。私だって今まで桃の話テキトーに聞いてたわけじゃないだからね。それは桃の被害妄想だって信じるよ!彼女がいるって言われても、先輩が卒業まで頑張るって決めたんなら、先輩に宣言すれば良い!彼女がいようがいまいが、私は全力で先輩に好きになってもらえるように努力しますって!」


「……っ、みっちゃん…」


「それでもダメだった時は、たくさん一緒に泣いてやる!」


みっちゃんの声が少し震えた気がして、ゆっくりと顔を上げると、みっちゃんの大きな瞳はゆらゆらと潤んでいた。


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