こっち向いて笑って、先輩!
「私も出来るだけ協力する。あのクソチャラ男と話すのは体力いるけど。私はいつだって、桃の1番の味方でいるから」
「うっ、みっちゃぁぁぁん!」
そう叫びながら、みっちゃんに抱きつく。
大丈夫。
死ぬわけじゃないんだ。
先輩に振られても、みっちゃんがいる。
大丈夫。
「ほんっと、こんな時まで他の人の気持ち考えて追い詰められるって、桃、あんたまじで人類最強のお人好しだわ」
「フフッ、ありがとう」
「今の褒め言葉に聞こえたの?」
「だって、みっちゃんが、はじめて泣いた顔見れちゃった」
みっちゃんの制服に鼻水つけちゃったの、あとで謝らなきゃなんて思いながら、みっちゃんの腕の中でククッと笑う。
「ぜんっぜん泣いてないからー。……応援してるよ、桃」
苦しい時、自分のことのように一緒に泣いてくれる親友がいる。
そのことが私のもう1つの誇りだ。
先輩を好きでいること、まだ全然、諦めたくないよ。