こっち向いて笑って、先輩!


「15班……あ、来原」


「お!もしかして飯田同じ?15班」


目の前に現れた飯田に声をかける。


「あ、うん。……一緒、だ」


「おぉ!やった〜!あ、晴美先輩、これ飯田です!よろしくです!」


「これって……どうも、飯田です」


飯田がぺこりと挨拶すると、晴美先輩がよろしくなあ〜!と飯田の背中を叩いた。


それから、もう1人3年生の川越先輩がやってきて、班5人が全員揃う。


正直、如月先輩と同じ班になりたかったなぁなんて思ったけど、あれから先輩とどうやって接していいのかわからなくて、そのまま今日が来てしまった。


数日、極力先輩に合わないようにしていたのは、みっちゃんにも内緒だ。


今の私、会っても絶対不自然だろうし。


「来原、大丈夫?」


「えっ、」


声をかけられてハッとすると、目線の先には先輩方たちはもう炊飯場に移動しようと先を歩いていて、私の隣には飯田が1人、心配そうに私の顔を覗いていた。


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