こっち向いて笑って、先輩!
「何が!元気!大丈夫!」
「はぁ。全然大丈夫じゃないだろ。最近ぼーっとしてるぞ」
それだけ言って歩き出す飯田。
「へっ、ちょ!まって!」
慌てて飯田を追いかける。
「……やっぱり、わかる?」
「真壁も言ってたしなー」
「え?真壁くん?」
「あ、いや。なんでもない。なんかあった?とか聞かねーけど」
「えー!意地悪!聞いてよ!聞いてよ飯田くん!」
飯田の背中に向かってそういうと、ピタッと足を止めてくれた。
飯田の何だかんだ優しいところ、すごくいいやつだなって思う。
「─────なるほどね〜」
炊飯場に向かいながら、この間見たものの話と私の正直な気持ちを話すと、飯田が頷きながらそう言った。