こっち向いて笑って、先輩!


「如月先輩!写真、とってくれませんか?」


「如月先輩!私たちと一緒に食べません?」


川越先輩に促されて、火傷した指を水道で冷やしていると、女の子たちの黄色い声が聞こえたので、そこに目をやる。


「やっぱり1年にはまだ人気だね〜」


川越先輩が私と同じ方向を見ながらそういう。


「……そうですね」


「来原は?まだ如月のこと好きなの?3年でも結構名前知られてるよ〜熱烈な如月ファンだって」


やはり川越先輩にもばれているのか。


「あっ、えっと……」


「あぁ、そりゃあんなに追っかけてたら如月がより戻したって噂くらい知ってるよな。ごめん。でも、来原面白いし、多分いい人絶対─────」


え?
先輩、今なんて?


『より戻した』


そのセリフがあまりにも衝撃で、私はその場で固まってしまった。


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