こっち向いて笑って、先輩!
「うん。いないね。全然いない。だから今度合コン参加するんだ。数合わせで行くだけだけど」
「へ?!合コン?!」
そんなの聞いてないよ!
言葉自体は知ってるけど、私には無縁のことである。
「桃も来る?」
「はひっ?!い、行かないよ!私には如月先輩がいるもん!」
「だよねー。まぁでも、あと2日は喋れないんでしょ?」
「うっ、」
痛いところを突いてきますね。
「如月先輩以外にも男はたくさんいるよ?この際違う男見るのもいいと思うけど」
「違う男って…」
「半年も実らない片想いをしてる友達を思って出た言葉です」
「実らないかは…まだわかんないよ」
みっちゃんは「ほんと、頭の中お花畑だわ」なんて言って、私のチーズケーキを一口食べた。
半年もアプローチし続けて、なんの進展もないのは私が一番よくわかってるし。
でも、この先ずっと何もないまま先輩が卒業しちゃって、私は今のこの片想いの時間を後悔するか聞かれたら、もちろんそんなことはない。
存在してるだけで、先輩は私に幸せをくれるんだ。