こっち向いて笑って、先輩!





翌日の最後の授業。


「はい、今日のLHRは体育祭の実行委員決めをしたいと思います」


LHR、この1時間で帰れる、という瞬間にクラスではあちこちでため息が聞こえた。


普通、嫌だもんねこういう決め事。


「誰か、やりたいって人は?」


立候補する人なんてもちろんいないに等しいし、みんなもう先生と目を合わせないように必死だ。


「じゃあ、男女それぞれ分かれて自分たちで決めてください。くじでもじゃんけんでも話し合いでも好きなように決めてね。決まらないと帰れないから」


え〜先生、丸投げ〜?!
先生はピシッと教室のドアを閉めてから、職員室へと向かった。



「めんどくさ〜」
「俺部活あるから無理〜」
「俺はバイト〜」

「私も部活あるんだよね」
「バイトあるから絶対無理!」


そんな声があちこちから飛び交う。


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