こっち向いて笑って、先輩!
*
翌日の最後の授業。
「はい、今日のLHRは体育祭の実行委員決めをしたいと思います」
LHR、この1時間で帰れる、という瞬間にクラスではあちこちでため息が聞こえた。
普通、嫌だもんねこういう決め事。
「誰か、やりたいって人は?」
立候補する人なんてもちろんいないに等しいし、みんなもう先生と目を合わせないように必死だ。
「じゃあ、男女それぞれ分かれて自分たちで決めてください。くじでもじゃんけんでも話し合いでも好きなように決めてね。決まらないと帰れないから」
え〜先生、丸投げ〜?!
先生はピシッと教室のドアを閉めてから、職員室へと向かった。
「めんどくさ〜」
「俺部活あるから無理〜」
「俺はバイト〜」
「私も部活あるんだよね」
「バイトあるから絶対無理!」
そんな声があちこちから飛び交う。