こっち向いて笑って、先輩!
流星だって、できれば言いたくないことを、俺があんまりバカだから、仕方なく教えてくれた。
流星が、俺の胸ぐらを静かに離す。
「……俺、来原が好きだ」
初めて、自分の口に出してそういうと、体が再確認したみたいに、心臓がドキドキとうるさく鳴り出す。なんだこれ。
「あぁ、知ってる」
変に勘のいい流星のことだし、こいつにはバレてるだろうなとは思っていたけれど。
そんなにまっすぐ言われると、俺ってそんなにわかりやすいのかと顔から火が出そうになるほど恥ずかしい。
「でも、好きだって思う分、制御できなくなる自分とか、上手くできなくなる自分に勝手にイライラしたりして……流星にもすごい、嫌な思いさせたと思う」
「なんで俺が嫌な思いすんの。意味わからない気とか使わなくていいから。そもそも和那は一度くらい面と向かって振られればいいんだよ。イケメンムカつく」
「なんだよそれ。流星、かっこいいよ」
「おっ、お前な!そういうことサラッというなよ!無自覚でそういうこと言うからほんと罪なぁ!」
勝手にイライラしだす流星に意味がわからなくて首を傾げる。俺、なんか変なこと言ったか。