こっち向いて笑って、先輩!


「んーでも学級委員は掛け持ちできないし」


飯田と副会長が頭を抱える。


だよね。
まぁ私もできればやりたくない派だけど。
みっちゃんとの至福の時間がなくなるのは嫌だ。


「男子はじゃんけんで決める!文句ナシだ。話し合いで決まる気がしねーし」


男子の方は飯田がそう言いだして、みんなが勝つためのおまじないを念入りにやっている。


「じゃあ、女子もじゃんけ────」


「いや、私負けても無理だかんね?」
「バイト休むなんてありえないよ」


うぅ。
せっかく提案した副会長の子の言葉は聞こえなくなってしまった。


「っていうか帰宅部でバイトしてない子がやればよくない?」
「暇でしょ。わざわざ忙しい人たちがやる必要ないって」


うわ〜。
クラスでも目立つグループの子たちが、大人しい子たちを睨みながらそういう。


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