こっち向いて笑って、先輩!





「ほんっと、よくやったぞ桃!」


翌日、みっちゃんと一緒に休日の学校へ向かっていると、みっちゃんが何回目かわからないそのセリフを吐いた。


昨日の夜、うちに帰ってすぐに電話でみっちゃんに全てを説明したら泣いて喜んでくれて。
つられて私も泣いちゃって。


あの後、先輩が『心細かったら浅田さんも連れてきていいよ、流星も喜ぶと思うし』なんて言ってくれたので、お言葉に甘えてみっちゃんも誘ったのだ。


「みっちゃんは〜?野村先輩と、どう?」


昨日からここに来るまでも、結局私の惚気みたいになっしまっていたので、みっちゃんに逆にそう質問する。


「どうって?相変わらずうざ絡み激しいから無視してるけど?」


「んもう、野村先輩いい人だよ?」


「……知らないっ」


ん?
プイッと顔を晒したみっちゃんの頬が少し赤くなって見えたのは……寒さのせいかな?


2人やっぱり合うと思うけど。
もしみっちゃんたちが付き合うことになったら、ダブルデートとかできちゃうかもだし!


「今桃、変な妄想したでしょ。バレバレ」


みっちゃんはそういうと、私より先に校舎へと入っていった。

< 245 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop