こっち向いて笑って、先輩!
「もう皆来てるよ」という野村先輩のセリフとともに、みっちゃんと、ざわざわとしている生徒会室に入る。
「……こ、こんにちは〜」
「おっ、来原」
部屋には、如月先輩と野村先輩のほかに、女の人が3人、男の人が2人、何やらアルバムらしきものを広げながら盛り上がっていた。
すぐに私たちに気づいて駆け寄ってくれた如月先輩が、皆さんに私とみっちゃんを紹介する。
野村先輩も加わって、私たちにお友達さんたちを紹介する。
そして─────。
「来原、こっちが、茜。茜、この子が前に話した来原」
「……っ、あっ、ど、どうも。来原 桃です」
目の前に現れた、栗色の髪をしたふわっとした可愛いらしい人。
くりくりの髪の毛と同じ色の瞳。
血色のいい唇。
白い肌によく似合う薄めのチーク。
前に遠くから見た時より、数億倍可愛い。
「こんにちは。桃ちゃん」
優しく微笑んでくれる茜さんは、もう、私のことを知っているのだろうか。どこまで如月先輩に聞いているんだろう。
もうすでに、如月先輩が、茜って呼び捨てにしてることと私は来原って苗字呼びなことにチクリと胸を痛めているなんて、弱すぎる。