こっち向いて笑って、先輩!
*
「来原、今日はやけにニヤついてんな」
「ふふーんっ」
「気持ち悪りぃ」
翌朝、自分の席で昨日の出来事を思い出してはニヤニヤしていると、飯田が私の顔を除いてそう言った。
「うるさいなー!」
でもいいもん。
今日の私は何を言われても怒らない。
放課後には先輩に会える時間が待ってるし!
「あ、そういえば。飯田って野村先輩と知り合いなの?」
「流星さん?」
「うん」
確か、飯田はバスケ部だよね。
でも、野村先輩がバスケ部ならもちろん私が知らないはずはない。
如月先輩の幼なじみだもん。
「小学校のクラブチームが一緒だった」
「へ〜。今の部活は?」
「いや。部活には入ってない。遊びでやる方が好きなんだって」
ほぉ。さすがチャラ男というだけあって、そんなところも軽いなぁ。