こっち向いて笑って、先輩!


「お前は」


「え?」


「いつから好きなんだよ」


「っ、」


え〜〜。
まさか飯田に聞かれるとは…。
まぁ、野村先輩があんなこと言っちゃったもんなぁ。


「中3」


「はぁ?」


「図書館で、たまたま見かけて…それで…」


「なんだ面食いかよ」


「いや、違うよ!ちゃんと。私はちゃんと、先輩の中身が好きなの…」


「ろくに話もできないのになんで中身がわかるんだよ」


「うっ、それでもわかるの!」


そうだよ。
あの優しい目を私は忘れてない。
昨日だって、ちゃんと親切にしてくれたもん。


「そーかよ。まぁ、頑張れ」


飯田は完全棒読みでそういうと、教室を後にした。


なんなのよ。
イライラしちゃって。


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