こっち向いて笑って、先輩!
*
「では、今日の集まりはここまでです。何か質問がある人はいますか?」
放課後。
ついにやってきたその時間。
30分間、黒板の前に立つ先輩をずっと見ることができた。
先輩はわざとかなっていうくらい、私と目を合わせてくれなかったけど。
それでも、先輩の襟足とか、首元とか、プリントを持つ手とか、いちいち綺麗でかっよくてうっとりしてしまった。
私だけじゃない。
集まりに来ていた女子全員が、先輩に釘付けだっただろう。
「質問はないですね。では解散です」
如月先輩のその声の後に、ガタガタと周りの人たちが席を立ってゆく。
私は、一番後ろの席からジッと、資料を片付けて黒板を消してる彼を見つめる。
カッコいい。
話しかけに行けないのが非常に残念だ。