こっち向いて笑って、先輩!





「では、今日の集まりはここまでです。何か質問がある人はいますか?」


放課後。

ついにやってきたその時間。

30分間、黒板の前に立つ先輩をずっと見ることができた。


先輩はわざとかなっていうくらい、私と目を合わせてくれなかったけど。


それでも、先輩の襟足とか、首元とか、プリントを持つ手とか、いちいち綺麗でかっよくてうっとりしてしまった。


私だけじゃない。


集まりに来ていた女子全員が、先輩に釘付けだっただろう。


「質問はないですね。では解散です」


如月先輩のその声の後に、ガタガタと周りの人たちが席を立ってゆく。


私は、一番後ろの席からジッと、資料を片付けて黒板を消してる彼を見つめる。


カッコいい。

話しかけに行けないのが非常に残念だ。


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