こっち向いて笑って、先輩!


「靴箱の前に仁王立ちはやめろ。自己紹介もいらない」


どうしよう。
嬉しくて泣きそうだ。


ずっと我慢していたから。


先輩に嫌われないように必死で、いやもう嫌われているんじゃないかと思っていたけど…でも…。


まさか先輩の方から、禁止令を解除してくれるなんて!!


「う、う…如月先輩ぃ〜!」


「っ、ほどほどに頼む」


くしゃくしゃになった顔で手を伸ばした私から先輩は少し距離をとって顔を歪めてそう言った。


歪んでてもカッコいい。


いいのかな…。

先輩とほんの少し、距離が縮まったって思っても。


「実行委員、よろしく」


先輩はそういうと、教室を後にした。


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