こっち向いて笑って、先輩!
*
「はぁ……なんであんなにかっこいいんだろう!ダメなところが見つからない」
「愛想なさすぎだけどな」
「いいの!変に思わせぶりな態度取るよりは全然いい!硬派だよ!」
まさか休みの日に如月先輩に会えるなんて。
もっと可愛い格好してくればよかった。
相手が飯田だから何も考えてなかったよ。
帰り道、飯田と話しながら歩く。
「あ!飯田!このあと暇?」
「なんで」
「今日付き合ってくれたお礼になんかおごってやる!」
「なんだその言い方。別にいい。俺が勝手について来たんだから」
飯田はそう言って歩き出そうとする。
そんなものダメに決まっているではないか!
「ダメ!飯田に借りはつくりたくない!」
「お前はいちいちそう言う言い方すんのな!真壁にも俺にいうみたいに言えばいいだろ」
だってなんか、飯田はなんだかんだ言って許してくれそうだし。バカとか言ってくるけど。
「それは無理!飯田だからできる!暇なら付き合って!」