こっち向いて笑って、先輩!
「はぁ……どうやったら距離縮まるかなぁ」
「ほんとよくやるな」
「え?」
「普通、こっちのこと見ていないってわかったら諦めるもんなんじゃねーの。しかも学年も違うしあのクールな人だぜ?」
そんなことわかってるよ。
だけど、理屈じゃないもん。好きだって、思っちゃったんだからしょうがない。
せっかくこの学校に来たことも、委員会が一緒になったことも、無駄になんてしたくない。
「卒業までは、頑張るって決めたの。何が何でも。じゃなきゃ、先輩を追っかけてこの学校に来た意味がなくなっちゃう」
「あ、そう」
「飯田は……そういう気持ち、なったことないの?好きで好きで何とかして繋ぎたい、繋ぎ止めておきたいって気持ち」