こっち向いて笑って、先輩!


「俺が探しにいかなかったら、来原は今頃まだあの倉庫で1人だったんですよ。女子1人にガラクタの片付けさせるとか、先生にもちょっとは原因があったと思います」


き、如月先輩?


座ったまま固まってる先生を真剣な表情で見つめる先輩は、少し怒ってるように見える。


「如月先輩、もう大丈夫ですから。行きましょう!」


ピリピリした空気をどうにかしたくて慌ててそういう。


「まだ話は終わって──────」


先輩の腕を捕まえて、早足で職員室の出入り口に向かう。


「失礼しましたっ!」


「……」







「来原、俺まだ話途中だったんだけど」


如月先輩が私の名前を呼んだことに若干ドキッとしつつも、俯く。


「ご、ごめんなさい。でも、やっぱり私がドジだったのがいけなかったと思うから。先輩があんな風に言ってくれて嬉しかったです」



先輩に迷惑をかけちゃったのはかわらないけど、私だけの原因じゃないと言ってもらえて少しホッとして、改めて、優しい人だって思った。


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